若き尺八奏者 豊嶋貞雄

尺八への想い溢れる若い人生

練習が終わって、さぁ一緒に食事しようというときにも楽器を手にして吹いている。

会話のほとんどは尺八のこと。

 

そんな、尺八への熱い想いが常にほとばしっている豊嶋貞雄さんのご紹介です。

プロフィールはこちら。

新潟県新潟市出身。
8歳のとき新潟市ジュニア邦楽合奏団で尺八と出会う。
講師であった鯨岡徹氏の音楽、
同時期に聴いた「遠TONE音」の三塚幸彦氏のサウンドを聴いて、
尺八の魅力にとりつかれる。
15歳で都山流師範試験登第。
現在では6つ以上の穴が開いた多孔尺八も普及されてきたが、
5つの穴だけの可能性を求めて日々尺八を研究している。
2011年東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。
新潟市ジュニア邦楽合奏団講師。
卒業後、演奏活動と尺八講師をやっていく上で三塚幸彦氏の楽器、
サウンドが必要だったため三塚氏が代表を務める泉州尺八工房で現在修行中。
新しい世代にもっと尺八の魅力を伝えたい、
そんな想いから吹奏法、楽器を日々研究。

 

さて、私はヴァイオリンと尺八の2重奏演奏のために幾度とリハーサルをご一緒させて頂いているのですが、
その都度とても感じるのは、彼がいかに尺八が好きで、
尺八の魅力を世に知らせたいと思っているかということです。

楽器としての尺八の魅力、音色、
また尺八の世界の素晴らしい住人たち。
そして未来につなげるために何をすべきか、
尺八の将来のための行動を考える、そんな話を熱心にしている様の純粋なこと。

 

私もこの度たまたまご縁を頂いて豊嶋さんとご一緒することになったのですが、

「尺八という楽器はとても音を出すのが難しい。
確かにそうなんだけれど、
今いる工房の師匠の三塚幸彦さん製作のものは楽器としての精度が良く、とても吹きやすい。」

「一時期粗悪品が出回ったこともあり
尺八のイメージがダウンしてしまった。それを払拭させたい。」

「邦楽器の中でも尺八はあまり人気がない。
もっと好きになってもらいたい。」

「昨今は技巧的な奏法もあるが、自分は音色の研究をしたい。速い動きにそんなに魅力を感じない。」

こういうお話しを伺うと、なんだかヴァイオリンにも通じるものがあるなぁと思いました。

 

ヴァイオリンも音を出すのが難しいと言われる代表的な楽器です。

でも、実際はどの楽器でも同じように、
きちんとした造りの楽器であれば、あとは方法論をきちんと学べば基本的な発音はさほど難しくありません。
弓と弦の角度をきっちりとやるだけ。それを可能にするための構え方。
こうすれば世の中の他の物事と同じようにある程度のことはできるものなのです。

粗悪品も良くないですね。
安かろう悪かろうでは、その物の印象自体も悪くなります。
初心者こそきちんと作られた良品を持つべきなのです。

また私自身、超絶技巧曲よりバッハやベートーヴェン、ブラームスの特に室内楽を演奏していきたいと思っています。

そんな思いを抱いて演奏と指導を行っているので、
豊嶋さんのおっしゃることにとても共感を覚えました。

 

尺八は元々お坊さんが吹いていたそうで、
お経のような雰囲気の即興演奏がメインなのだそうです。
この即興に、あの尺八独特の節や歌いまわしがあり、
真竹から出てくる音色は、まるで竹林の中で風に吹かれているかのよう、あるいは広々とした草原、滝の流れる山中でしか聴こえない自然の音、
そんな印象を受けるので、
彼とリハーサルをする時間が私には自然そのものを感じられる癒しのようなひと時となっています。

 

 

現在の彼の生活といえば、

毎日工房で製作技術をあげるため研鑽をつみ、
練習も工房で行い、合間を縫って新作の作曲や編曲に勤しむという、
正に尺八漬け。

そんな想い溢れる尺八の音色、
これからもぜひ皆様にお聴き頂ければ幸いです。

 

 

 

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントは停止中です。