家庭のアンサンブル

世代を超えた共演

 

こちらは、ヴァイオリンのお稽古を始めて4か月の女の子と、彼女のおばあ様お2人とのピアノトリオのレッスン風景です。

今年9月に、当教室での試演会に出演するにあたって、おばあ様方との共演プランをご提案したところ、前向きなお返事をいただき、実現への第1歩を踏み出すことができました。

ピアノトリオといっても、とても簡単な形です。

今度の曲は、篠崎バイオリン教本1巻にあるベートーヴェンの「歓喜の歌」。
そう、かの交響曲第9番「合唱付き」第4楽章のあの有名な旋律を抜粋したものです。
ピアノ伴奏パートから考えると、4楽章の歓喜の歌の旋律がチェロバスから始まり、ヴィオラがそれを歌い始めて、ファゴットが対旋律を歌い始めたところを抜き出してあるようです。

ピアノはそのまま楽譜どおりで、チェロはピアノの左手の部分を弾く形で演奏してもらうこととしました。

2人のおばあ様方は本日初めてお会いしましたが、お孫さんとのアンサンブルは始めから息がぴったり。
始めて間もないお嬢さんですが、張りがあってしっかり音量が出る子なので、おばあ様方にかなり音量を出してもらってもバランスもとれます。

ピアノのおばあ様は、名古屋市でピアノ教室を営んでおられます。
今回は、このお孫さんのピアノの発表会で上京なされるタイミングに合わせて、3人でのアンサンブルレッスンとなりました。

 

簡単な形とはいえ、そこはベートーヴェン。
フレージングや音楽の運び方、音質など指導していたら1時間のレッスンがあっという間に過ぎていったのでした。
そしてその間の主役の彼女の楽しそうなこと!
私がおばあ様方に説明している間にどこで覚えたのか、弓を指揮棒のように動かしながら歌っている様子は、こういった家庭的な愉しみの中から自然と音楽が生み出される様、その過程を私に教えてくれたのでした。

 

こういった簡単な形の曲に取り組むことは、お子さんにとっては、楽しんで弾ける、という大きな利点があります。
また、簡単であるからこそ難しい曲では気をつけにくい事柄も直しやすくなります。

9月の試演会で、ソロでは篠崎バイオリン教本2巻からバッハの管弦楽組曲第3番のガヴォットを演奏する彼女。
おばあ様方とのアンサンブルをこれからも続けていけることを願います。

 

それにしても、芸術文化を通じて家族で愉しめるのはいいですね。
個人的に、私の家族はあまり音楽には明るくないのですが、共通の話題としての読書、様々な国や時代の文学についてのとりとめのないおしゃべりは互いに忌憚なくていいものだな、と思っていたのを思い出しました。

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